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モノノベ第1
裏京都トワイライトゾーン 伏見稲荷編

人は目に映っている景色だけが、世界の全てだと感じてしまうだろう。 だがしかしそれは本当に正しいのだろうか。 目とはカメラとよく似ている。 水晶体と言うレンズを通し、網膜と言うフィルムに映し出された像を、私たちは見ている。 このコロナ禍で、私達の生活スタイルは大きく変化している。 その変化は、全く違う場所、年齢層で起きているのだ。 そんな事を今日は紹介したい。

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伏見稲荷の隠された秘密

京都の代表的観光スポットである『伏見稲荷大社』。 多くの人々が一度は足を運んだことがあるだろう。 伏見稲荷は全国の稲荷神社の総本宮であり、西暦711年(奈良時代)の二月に始まる。故に1300年以上の歴史である。 要するに稲荷神社のボスだ。

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伏見稲荷と言えば、『千本鳥居』が有名だ。 近年若者が集って写真を撮りに来る、映えスポットだ。 その無数に敷き詰められた鳥居には、どんな理由があるのか。 そしてその先には、一体何があるのだろう。 きっとこの先に進めば、その謎が解けるに違いない。

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時は令和三年五月。

初夏の心地良い暑さが身をまとう。 奥の院を超え、まだ先に向かう人々の姿が多く見受けられた。 ハイキングコースのようなものがあるのかと思うと、そこにはまだ鳥居のトンネルが続いていた。 なんとも興味深い。伏見稲荷の秘密を解き明かすべく、私は先を急ぐ。

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鳥居トンネルを歩き続けると、山が深まってきた。 そこには、あちこちいっぱいの神様が祀られていた。 何がどの神様なのかさっぱり分からない。 でも何だか、奇妙な異世界空間を味わっている。 茶屋や土産物屋が、ポツポツと現れる。 そこには、『鳥居建立受付』なんて書いてあるポップがある。 ああ、なるほど。おみくじ感覚で鳥居を購入し、願掛けにお供えするスタイルか。何とも建設的! それにしても人が多い。特に10代、20代の若者、カップルが多い。 もしかして、今話題のスポットがこの鳥居トンネルハイキングなのか? 中間地点の展望台みたいなところでは、みんなソフトクリームを食べている。 コロナ前では、考えられない光景だ。 みんなノー密を求めて、稲荷山を登っているようだ。 中間地点を越え、もう少しで頂上だ。 頂上では、どんなお稲荷様がお出迎えしてくれるのだろう。 無数の鳥居トンネルを越えて、やっと頂上に着地! 青空の下に君臨するボスお稲荷様だ。 ありがたや〜笑

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さて今度は下り。下りは足取りが軽やかだ。 帰る途中もたくさんの神様たちが私を見守ってくれている。 なんだか物凄く心が洗われる。 登山と参拝をミックスした伏見稲荷は、超パワースポットだな。 なんて黄昏ながら歩いていると、自分が今どこまで下ってきたのか分からなくなった。 諸説によると、昔この伏見稲荷は、山の魔物を迷い込ませ、京の都に降りてこれなくする為に、このおびただしい数の鳥居を作ったのだとか…。 真相は分からないが、私自身もこの鳥居に惑わされてしまうところだったが、 中間地点の四つ辻まで戻ってこれた。 その後は、惑わされることなく、無数の神々に参拝し無事、スタート地点の入り口まで戻ってこれた。 なんだか奇妙な体験をした。 参拝をしているのか、登山をしているのか、果たしてこの鳥居トンネルハイキングの先に私は何を見たのか…。 結局のところよく分からない。 なんともキツネにつままれたような、トワイライトな一日だった。 皆も京都に行った時は、伏見稲荷で鳥居トンネルハイキングをしてみてほしい。 くれぐれも鳥居に惑わされないようにね。

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文章・写真:ボタ餅

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