モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編表紙画像

モノノベ第4
大阪ディープスポット天神橋筋編

六月十三日。

日本一長いと言われる天神橋筋商店街。 天神橋を起点として、北は天神橋筋七丁目まで伸びる、全長2.6キロの商店街だ。 大阪に長年住んでいながら、部分部分でしか歩いた事がない。 今回梅雨空と言う事も利用して、天神橋の全貌を明らかにするべく、端から端まで歩いてみようと思う。

モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 3-1

スタート地点大阪天満宮p.m.2:00

天神橋と言えば、大阪天満宮だ。 学問の神様、『菅原道真公』を祀っている。 私は天神祭をこよなく愛する者であり、事ある度に天満宮に訪れている。 四天王寺と同様、都会に居ながら静寂を味わえる。 寺社マニアである私のお気に入りスポットの一つである。 余談になるが、何故か天満宮で引くおみくじは、毎回凶なのだ。 神様からの有難い試練だと心得て、今日も参拝している。

モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 6-1
モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 6-2

商店街には、様々なジャンルのお店が軒を連ねている。 新しいモノから古いモノまで集っているので、若い世代からお年寄り世代と、幅広い年齢層で楽しめる。 だがこのご時世という事もあり、日曜日の午後だと言うのに、人通りはまばらで活気に欠ける。 私は張り子の虎の如く、左右に首を振りその中を通り抜けていく‥。

モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 8-1

四丁目まで来たので、少し休憩。 大阪人なら皆知ってる『スーパー玉出』で、お馴染みグリーンラベル500缶を購入。 今日も派手なネオン管が美しい。 アテにたこ焼きも購入し、扇町公園でしばしひと休み。 辺りを見渡すとやはり公園は人が多い。 子供〜大人まで大集合だ。 まさしくコロナ時代の象徴と言えよう。 色々と思いにふけながら私は公園を跡にした。

モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 10-1

天満の飲み屋街を通り抜け、六丁目に入った途端、急に道幅が狭くなった。 ここからは観光客向けではなく、地元のお客向けのローカル商店街に様変わりした。 雑多に積み上げられた商品、やたらと安い服や靴、やる気のない骨董品のお店、誰が買うねん!と思う宝石屋さんなど、令和感を昭和感が上回っている。 私はこういったローカルなお店を見て回るのが好きだ。 なぜなら、その土地の有名なお店や特産品などを知る事ができるからだ。

モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 12-1

七丁目から先はアーケードが無くなってしまったが、『天神橋筋商店街』と書いてある街灯が並んでいるので、そのまま歩き続けた。 そこは商店街と言うよりは、商店街風にデザインされた町と言うべきであろうか。 恐らく昔は、ここも商店街として栄えていたが時代の流れで民家に変化していったのだろう。 目の前に軽い登り坂が見えた。その先には、大きな空が広がっている。 あそこが終着点か。 私は淡々とその坂を登った。 日本一長い商店街の終着点は、、ラブホテルだった。 スタート地点が天満宮だったので相対するモノがラスト地点を飾っていた。 これが天神橋筋商店街の全貌だ。 私が感じた事は、地域の属性とニーズに合わせお店も変化していると言う事である。 人に求められるモノに変化する。 ただし個性は無くさない。 その為、長きに渡り栄え続ける商店街なのだろう。 私もこの商店街のように、人に求め続けられる面白いエピソードを発信できるよう、柔軟であろうと思った。 と、淀川の河川敷に腰を下ろし、電車を見つめながら思ったのであった。

モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 14-1
モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 14-2
モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 14-3
モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編挿入画像 14-4

文章・写真:ボタ餅

Recent Entry

おすすめ記事
モノノベ第1話 裏京都トワイライトゾーン 伏見稲荷編サムネイル画像

裏京都トワイライトゾーン 伏見稲荷編

京都市伏見区に鎮座する、全国の稲荷神社の総本宮「伏見稲荷大社」。そこでは世にも奇妙な体験ができるという。千本鳥居に隠された謎とは?モノノベ第一話。見て、読んで、行って、体験して。

モノノベ第2話 日本の稲作事情サムネイル画像

日本の稲作事情

日本のモノづくりの原点である稲作。知れば深いし面白い。これを読めば、あなたも稲作マスター?!ついつい読みたくなるモノノベから第二話誕生。

モノノベ第3話 大阪ディープスポット四天王寺・新世界編サムネイル画像

大阪ディープスポット四天王寺・新世界編

大阪・天王寺。そこは『聖と俗』二つの世界が同じ町に存在している。人を魅了する町、新世界。是非、お酒を片手に読んでほしい。きっとこの地に行きたくなるはず‥。モノノベ待望の超大作、第三話ここにアリ。

モノノベ第4話 大阪ディープスポット天神橋筋編サムネイル画像

大阪ディープスポット天神橋筋編

日本一長い商店街『天神橋筋商店街』端から端まで歩いてみた。最後に見たものとは。。大阪ディープスポット第二段!!

モノノベ第5話 ニッポンの原点奈良・桜井 前編サムネイル画像

ニッポンの原点奈良・桜井 前編

あの場所に呼ばれている気がする。あなたは私に何を伝えようとしているのか。その答えを探すべく、私は奈良県桜井市へ向かった。神聖な地で、私は何を感じ、何を見出したのか‥。モノノベ第五話、お楽しみ下さい。

モノノベ第6話 ニッポンの原点奈良・桜井 後編サムネイル画像

ニッポンの原点奈良・桜井 後編

日本最古の神社『大神神社』。大物主神に会いに遥々桜井に来た訳だ。奈良の土地で繰り広げられる、神秘現象に迫る!!ニッポンの原点・奈良、桜井後編。

モノノベ第7話 1年越しの舞台に立ってサムネイル画像

1年越しの舞台に立って

大阪三大夏祭りの一つである『愛染祭り』。2年ぶりに大阪に夏が戻ってきた!みんなの思いを地車の音楽に乗せて舞う。モノノベ第7話、お楽しみ下さい。

モノノベ第8話 大人の夏休みin暗峠サムネイル画像

大人の夏休みin暗峠

生駒山上でアート?!新しい山守のカタチを定義する『Ladies&Gentlemen'sChainsaws』クルーを取材。今回は生駒市暗峠にて親子でつくる田んぼにアートのイベントに参加してきた。

モノノベ第9話 東京二〇二一 渋谷〜原宿編サムネイル画像

東京二〇二一 渋谷〜原宿編

今世界中から注目を浴びている都市『東京』。TOKYO2020オリンピックが開催されコロナ感染者数初の4000人超えの中、私は東京へ行ってきた。そこで私が見たリアルな東京を皆様にお伝えしよう。

モノノベ第10話 東京二〇二一 明治神宮〜皇居〜豊洲編サムネイル画像

東京二〇二一 明治神宮〜皇居〜豊洲編

東京二〇二一後編。東京という街が守ろうとしているものは一体何なのか?今謎が全て解き明かされる…。

モノノベ第11話 ニッポンの稲作事情〜稲刈り編〜サムネイル画像

ニッポンの稲作事情〜稲刈り編〜

田んぼ一面に敷かれた黄金色の稲穂の絨毯。ニッポンの伝統文化「稲作」の裏に隠された『やり甲斐と苦悩』とは、、一体何なのか?!

モノノベ第12話 ベールオブ・イズモサムネイル画像

ベールオブ・イズモ

大和朝廷より前に繁栄していた国『出雲』。なぜこの地には多大なエネルギーが満ち溢れているのだろうか‥。ベールに包まれた出雲を少し知れる。そんな物語である。

モノノベ第13話 カモのはなし 奈良編サムネイル画像

カモのはなし 奈良編

全国に多数存在する『かも』が付く神社や地名。なぜだと思う?その謎を解き明かす為、奈良県御所市に向かった。日本神話のふるさととも言われる土地で繰り広げられる魅惑のストーリー。

モノノベ第14話 カモのはなし 京都編サムネイル画像

カモのはなし 京都編

舞台は京都。平安時代より1100年間続いた日本中心の町である。その京都を支え続けた一族とは?人々を魅了する町・京都で、遂に『カモ』の真髄に迫る!!

モノノベ第15話 裏神戸の歩き方サムネイル画像

裏神戸の歩き方

兵庫を代表する町『神戸』。その神戸には神戸八社と言う生田神社の裔社が八つある。江戸時代より盛んである『八宮巡り』をしながら神戸の街を探索する。これぞ通の遊び方!その遊び方をお教えしよう。

モノノベ第16話 飛鳥・聖徳太子の風景サムネイル画像

飛鳥・聖徳太子の風景

聖徳太子の生誕の地『飛鳥』。 ここは、ただの長閑な歴史の触れる事の出来る村ではなかった。ベールの中に隠された本当の飛鳥とは‥。

モノノベ第17話 岡本太郎の世界サムネイル画像

岡本太郎の世界

1970年大阪万博のシンボルとなった太陽の塔。 その中には生命の樹と言われるモノが眠っている‥ この作品に込められた岡本太郎のメッセージとは?