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モノノベ第8
大人の夏休みin暗峠

梅雨明け間近かと思われる7月のとある日。 奈良県生駒市の暗峠にて、新プロジェクトが始動されていると耳に入ってきた。 生駒山上でアート?! どう言う事なのか、実際に確かめに行ってきた。 1泊2日の大人の夏休みにレッツゴー。

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令和3年7月10日

今日は明日のワークショップに向けての準備。 <p.m.3:00> 近鉄南生駒駅集合。 大阪なんばから電車で約40分。 都心からのアクセスのし易さも生駒の人気の秘密かもしれない。 近くのホームセンターでしっかり目に麦わら帽子をゲット。 ちゃっかり楽しんでいる。 車で10分程走り今回のイベント会場へ向かう。

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そこでは、今回のプロジェクトメンバー『Ladies&Gentlemen's Chainsaws』の方達が出迎えてくれた。 このプロジェクトの主宰であるアーティスト中矢丸さんを中心に建築、デザイン、写真という様々なジャンルで活躍しているメンバーで構成されている。 今回のイベントのテーマは「親子でつくる田んぼにアート」という事らしい。 早速、明日親子で創り上げてもらうアート作品の為の準備に取り掛かる。 言われるがままに、私は竹を地中に突き刺し、木々を針金で固定しネットを張った。 これがどのような形に変化してくのか、そしてどんなアートになるのか、凄く楽しみである。 日が暮れ出した頃、アート作品の奥に広がるキラキラと輝く奈良の夜景がとても綺麗だった。 小学生の頃に行った林間学校を思い出す。 皆で汗を流し作業をして、地元のお母さんが作ってくれた美味しいご飯をお腹いっぱいに食べる。 これだけでもう、今回この地に来た幸せを噛み締めてしまいそうだ。 ウシガエルの鳴き声と、若者の笑い声聴きながら、明日に備え早めの22時就寝。

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令和3年7月11日

<a.m.7:30起床> 最近の天気とは、打って変わってかなりの快晴。 絶好のイベント日和だ! 参加者の人が来るまでに最終準備と役割分担を行う。 私は、勝手にカメラ係を担当した。 さて、どんなアートワークになるのだろうか?! <a.m.10:00> 参加者が続々と集合。 親子でつくる田んぼにアート、開始! 昨日準備したオブジェに、紙の原料となる楮(コウゾ)という木を組み合わせていく。 大人も子供も夢中になってメイク、メイク。 棚田の脇に巨大なオブジェが完成しつつある。 自然の中に、突如文明が現れたような。 しばらくすると、子供たちはカエルや昆虫採りに夢中になり、大人だけで黙々とアートワークに勤しむ姿が面白い。 お昼には、アート建築オブジェが完成! 田んぼに突如現れたオブジェは、まるで秘密基地のよう。 中に入った者だけが、見れる景色。 特別感。達成感。 このオブジェの完成品がアートなのではなく、このオブジェをつくる為の全ての体験が、アートなのかもしれない。

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昼休憩以降は、周辺を探検したり畑見学をして自然を満喫。 あとは自由に自然を楽しむ。 <p.m.4:00> イベント終了。 無限体力の子供たちに、ちょっぴりお疲れ気味の親たちも楽しめたのではないかと思う。 自然をただ満喫するだけではなく、『自然の中で見出す都会感』みたいなモノが新しくて面白いのだと感じた。 『Ladies&Gentlemen's Chainsaws』のメンバーが描く新しい山守のカタチ。 山と繋がり、植物と人の生育・共生環境をハンドメイドする。 その山で採れた貴重な資源からアートやプロダクツを創り出す。 リーダーである中矢丸さんは、「生駒山上にアート作品をつくりたい」と語っておられ、益々目が離せない。 次回のイベントは、秋。 稲穂が黄金色に色付くシーズンを予定されているようだ。 どんなアートワークが繰り広げられるのだろう。楽しみだ。 大人になってから、ここまで作業に没頭したのは久しぶりだ。 まさに夏休み!いつもとは違う体験ができた。 ひょっとすると、私がこのイベントの手伝いに行くと言った時から既に、アートは始まっていたのかもしれない。 私の1泊2日の大人の夏休み。 これにて終了。

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文章・写真:ボタ餅

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